和食店の店舗内装に欠かせない照明や家具の選び方

和食店にとって料理と同じぐらい店舗内装は大切です。その良し悪しが集客に与える影響は決して小さくありません。いくら美味しいメニューが揃っていても、居心地が悪いと感じさせる恐れがあります。このリスクを最小限に抑えたいなら、店舗内装の構成要素を細かくチェックすることが重要です。特に照明や家具は店舗のイメージに直結するので注意しましょう。そこで本記事では、和食店の店舗内装を手掛けるうえで、これらの要素をどう選ぶべきか解説します。

まず照明の役割を正しく把握しておこう

店舗内装

照明を選択する際に重要なのは、その役割をしっかり理解しておくことです。もちろん、基本的には暗い空間を照らして視界を確保するために使います。しかし、その役割を担わせるだけなら、十分な明るさのライトを選ぶと良いだけです。たいていの和食店ではそれ以上の効果が期待されています。使用する照明器具によって、店内の雰囲気はがらりと変わるからです。かなり存在感が大きいインテリアと解釈すれば分かりやすいでしょう。店舗のコンセプトを明確にして、それに合致するテイストのものを選ぶことが基本です。一口に和食店といっても、掲げているコンセプトは店舗によって異なります。たとえば、家族団らんの場合もありますし、恋人の隠れ家の場合もあるのです。もし自店のコンセプトが前者であれば、少しも暗さを感じさせないライトが良いででしょう。一方、後者の場合は薄暗い空間を演出できる間接照明が適しています。いずれにしても店舗のコンセプトのもとで、店舗内装の各要素に統一感を持たせることがポイントです。 

おしゃれなスポットライトやペンダントライト

上記のように店舗ごとに最適な照明は異なりますが、一般的に広く用いられているタイプも存在します。たとえば、スポットライトはその筆頭といえるもので、照らす領域を限定できる点がメリットです。料亭のような和食店で重宝されており、あえて場所ごとに光量を変えています。そうして明るさにグラデーションの演出を加えることで、全体的に奥行きを感じさせる効果を得られます。カウンター席だけを照らすなど、大人向けの雰囲気を強めたいケースにもうってつけです。コンパクトなので視界を遮らないというメリットもあります。それと似たタイプとしてペンダントライトが挙げられます。こちらは吊り下げて設置するタイプで、高級な和食店で使われるケースも少なくありません。おしゃれな雰囲気を出しやすいというメリットがありますが、一方で吊り下げるためのスペースが天井に必要です。よって、スペースに余裕のない和食店では、数が極端に限られてしまうかもしれません。その場合はスポットライトも併用するなど、これらの組み合わせも有効な選択肢です。 

壁や廊下に設置できるブラケットライト

おしゃれな演出にこだわらず、落ち着いた雰囲気を第一に考えるならブラケットライトが向いています。これは壁に取り付けるタイプで、和食店では廊下などに設置されることも多いです。店内の照明をすべてブラケットライトにすることも不可能ではありません。そうするとコストを抑えやすくなりますし、照明に統一感を持たせられる点もメリットです。ただし、設置の仕方にコツがいるのでよく学習しておきましょう。狭い場所にも設置できますが、水平方向の遠い地点には光があまり届きません。その特性を考慮したうえで、なるべく高めの領域に取り付けることが大切です。また、設置場所を高くすることにはもう一つ大切な理由があります。そうしないと、壁の近くを歩く顧客や店員が眩しく感じてしまうからです。なお、通路などを照らしたい場合は、ブラケットライトに誘導灯の役割も持たせましょう。店舗の入り口から顧客が辿る動線を意識してください。2つの役割を担えるので、コストパフォーマンスの面で優秀な照明器具となっています。 

広いスペースを照らすフロアスタンドライト

大きな和食店の場合、フロアスタンドライトも用意した方が良いでしょう。メインフロアに繋がるエントランスは、和食店の格式を感じさせる重要な場所です。ここの見た目が貧相だと、それだけで店舗全体の品質が悪いように思われます。言い換えると、エントランスを豪華にすることで、店舗のイメージを一気に上げられるということです。洋風のレストランではシャンデリアを使うケースが多くなりました。上からエントランスを華やかに照らすことで、顧客の期待感は大きく高まります。しかし、和食店とシャンデリアはミスマッチなので、積極的に使用するのは得策ではありません。それよりも、フロアスタンドライトで広域を照らす方が、和食店ならではの落ち着いた雰囲気を出しやすいです。間接照明の優しい光が空間に漂うことで、日本の風光明媚な空気感を演出できる点もポイントになります。種類が豊富で木製のタイプなどもリリースされているため、壁や天井と相性が良いものを選択すると良いでしょう。 

家具の選択基準として重要なデザイン性

和食店の家具を選ぶ際、最も重視すべきはデザイン性の高さです。どれだけ店内の雰囲気に気を使っても、たった1つ違和感を招く物があるだけで台無しになってしまいます。フロアスタンドライトと同じように、壁や天井との相性もしっかり検討しましょう。たとえば、温かい雰囲気の和食店を目指しているなら、壁などはブラウンのような暖色にすることが多いです。そこブルーの家具を置くと、悪い意味で目立つのは間違いありません。それよりも同じブラウン系で揃えた方が、視界に入ったときにスムーズに馴染みます。とはいえ、家具を空間のアクセントに使い使いたいという人もいるでしょう。その場合でも、あくまでも同じ系統のなかで選択することが大切です。この場合はオレンジぐらいに留めておくのが無難です。レッドの家具にしてしまうと、コントラストが強くなりすぎて調和が乱れかねません。このように細かなデザインにこだわる前に、家具のカラーに目を向けることが重要です。それで大まかに選別してから、意匠のチェックに入るのが一般的です。 

耐久性や機能性も家具選びの判断材料

デザイン性の高さは家具選びの基準ですが、それだけにこだわると失敗しやすくなります。顧客に使ってもらう以上、機能性や耐久性に気を配ることも忘れてはいけません。家庭の家具が1日に使われるそう時間はそれほど長くありません。一方、和食店ではオープンしてから閉店まで酷使されるケースも多いです。仮に同じ耐久性の家具を導入した場合、家庭で使う場合よりすぐ寿命を迎えます。それを踏まえて、できるだけ丈夫なものを選択することも必要になります。デザイン性と耐久性は両立が難しく、繊細で見た目が良い物ほど壊れやすい傾向にあります。このトレードオフの関係の中、両面において満足できる家具を見つけることが大切です。さらに機能性が高いことも選択基準であり、顧客がスムーズに使用できなければなりません。たとえば、いくら流行のデザインを取り入れた椅子でも、座り心地が悪ければ意味がありません。テーブルに関しても同様で、ストレスなく最後まで食事を楽しめる環境が求められます。

まとめ

和食店に入ったときに抱く第一印象はとても大事です。もちろん料理に対する印象も重要ですが、顧客の満足感は味や価格だけでは決まりません。店舗の照明や家具が生み出す雰囲気なども含めて、1つの体験として評価するのが一般的です。したがって、顧客に好感を持ってもらいたい場合、高品質な店舗内装の実現は不可欠となります。そのためにも上記のポイントをしっかり把握し、自店に相応しい照明や家具を選べるようになりましょう。